第3回は第2層(組織変革)
セッション発言録 第3回・「導入・全体の地図」の節「第1回は人間の認知容量を超えていくという話、第2回はAIによる戦略の転換をAIを使って考える話をしました。今日は組織レイヤー ― 組織とか人間とか知識とか、そういったものをテーマに置きます。第1回とも第2回ともだいぶ違う切り口です。」
セッション発言録 第3回・「導入・全体の地図」の節「第1回は人間の認知容量を超えていくという話、第2回はAIによる戦略の転換をAIを使って考える話をしました。今日は組織レイヤー ― 組織とか人間とか知識とか、そういったものをテーマに置きます。第1回とも第2回ともだいぶ違う切り口です。」
セッション発言録 第3回・「AI前提の人材課題」の節「AIの使い方は『○○について教えて』という対話・指示待ち型から、『調べておいて』でAIがチームで動く半自動・連携型へ。さらに黒子型では、人間が会議をした、資料を作った ― その落とした情報をAIが拾って整理し続ける。対話的な指示がなくても働き続け、やがて自発的に検討して必要なときに連絡してくるエージェンティックAIになっていきます。」
セッション発言録 第3回・「AI前提の人材課題」の節「人間同士も、それぞれ異なる形式知・暗黙知を持って協働し、資料や議事録に情報を落としていきます。これからはAIもそれぞれ役割や知識を持ってお互いに協働・意見交換し、人間が落とした情報を拾って整理を進める。人間とAIがそれぞれチームで協働する世界です。」
セッション発言録 第3回・「全体の地図」の節「暗黙知を形式知にし、また暗黙知へ戻す ― 知識創造経営は長く語られてきましたが、『暗黙知を表に出す』工程が人手に依存していたために回りきらなかった。そこをAIで加速して、実効性ある知識創造経営にできるかが今日の問いです。」
セッション発言録 第3回・「今日のテーマ進行」の節「[2A]人が持つ知を流す ― 見るのは個人個人の頭の中、課題は本人も言語化できない暗黙知。[2D]知と人と組織を結ぶ ― 見るのは個人と組織の接続点、課題は溜まっても引き出せない、声の大きい人に寄る集合知。[2E]人的資源を配分し直す ― 見るのは組織全体のポートフォリオ、課題は削減か新価値創出か、そして誰の納得が必要か。」
セッション発言録 第3回・「アイスブレイク/ハンズオン①」の節「自分を知っているAIに、自分あてのスカウトメールを書かせてみてください。思考の癖とか、ここは苦手なはずだ、でもこんな工夫をしている ― そういうものまで出てきます。結局それは会話歴というログに基づいて作られている。暗黙知はとても言語化しづらいけれど、記録として残ったものの端々から見つけ出すことは可能なんです。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン②マッチング」の節「人材100名と求人60件。この時点でもう人間の認知の限界を超えます。対話型に丸ごと投げれば多少は読んでくれますが、100×60で6,000通りの線が引ける。6,000通り全部を考えてと言っても不可能なサイズです。だからシステムから解くわけです。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン②マッチング」の節「単語の近さだけで探すのは、実はAIを全く使わない昔からの方法でできて、6,000通りが3.2秒で終わります。めちゃくちゃ速い。でも語彙が似ているかを見るだけなので、『その分野は苦手』と書いてあっても同じ語が出れば近いと判定してしまう。AIに全文を読ませると、言葉が一番近かった人よりも、内容の文脈まで考えるとこっちの方がいい、という別の人が選ばれ直します。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン②マッチング」の節「60件の求人に100人を突き合わせて、僕の環境で125秒・14〜15円ほど。単純計算で900件でも300円ぐらいで本処理が終わる。昔なら10人がかりのチームが必死で求人票を読んで決めていた作業が、一瞬で終わってしまう。社内でこれを使うかどうかで、人材リソースの適正配分の巧拙が全然違う時代です。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン②マッチング」の節「手元のAIが作る『あなたに合う求人』は、実在しない理想像を前提にした理想論です。一方、実際に60件の求人と100名の人材がある中から探すと、全然違う、よりリアルな答えを返せる。理想論ではない回答が出てくるところまで体験してほしいと思います。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン②コード生成」の節「Geminiはキャンバスモードにすると最初から実行可能なコードを作ってくれて、Claudeは一番下のHaikuでも一瞬でこれを書きます。ところがChatGPTの無料版は、この難しくないお題すら、なぜか書きたがらない。数週間前からの挙動で、お金を払わない人には賢いことをさせない方針っぽい。一つのプラットフォームに依存することの怖さは、こういうところに出ますよね。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン③集合知」の節「この30数人を一つの組織に見立てて、みんなで知恵を出してみたらどうなるかをやってみたいと思います。お題は『AI活用で使っているコツは? ― 意識してやっていることも、そういえば無意識にやっていることも』です。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン③集合知」の節「100件近い意見の全体を眺めてまとめるのは、人間にはなかなか不可能です。でもAIなら全部読める。構造化AIが『これとこれは近い』『これはまだグループにしないでおこう』と考えながら塊を作っていって、確信の薄い塊は点線、確かな塊になると実線になります。あえて順位はつけず、分類だけをさせています。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン③集合知」の節「自分ができることって、この人のこれに役立つことかもしれない。自分が求めていることは、この30数人の中のこの人に手伝ってもらえばいいかもしれない。そんな発見がリアルタイムでできる場は、今まで普通になかったと思うんです。AIは300通りぐらいの結び目パターンを見出しています。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン③舞台裏」の節「最初は機能をてんこ盛りにしたものを構想して実際に作らせたのですが、作ってみたら全然使えないと分かって、大きく作り変えました。昔なら数か月、下手をすれば1年単位で構想するようなものが、ほんの1〜2週間で出来上がってくる。完成品を設計してから開発するのではなく、とりあえず作って試して改良する ― 何かを作るときのスピード感自体を、AIネイティブに捉え直さなきゃいけない。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン④人材戦略ゲーム」の節「800名の中堅商社で、AIによって250名分の仕事が浮く。その行き先をどう決めるかが重要だ、という前提です。削減するのか、既存職種にリスキリングするのか、AI新事業型に転換させるのか、外から採用するのか ― これを実際に配分として決めていただきます。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン④人材戦略ゲーム」の節「事業デザインは、誰か一人が大好きであれば、誰か一人が気に入らなくても成り立ちます。一方、人材戦略はこの四人の誰かにとってものすごい不満だと成り立たない。投資家が納得しなければ事業成長がないし、社員が不満なら人が離れていく。利害の衝突というゲームなんです。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン④振り返り」の節「この四人の声が辛辣すぎたので調整しますが、厳しいことだけを言うAIにも、甘い声だけのAIにもできる。リアルな人間ではないので調整できてしまう。事前にシミュレーションして、伝えてもらって、修正するところまでできること自体が、AI時代っぽいかもしれないですね。」
セッション発言録 第3回・「ハンズオン④振り返り」の節「事業デザインなら昔ながらの方法で顧客インタビューをしますが、社員に対してそれをやると『人事部がこう言っていた』と広まってしまう。バーチャルにヒアリングできてしまうというのは、それをやっている会社とやっていない会社で動きの速さが変わり、それ自体が競争優位性に関わってきます。」
セッション発言録 第3回・「振り返り」の節「皆さんが一つ一つ出した意見は、人間としての実体験に基づいているもので、AIのバーチャルな意見とはやっぱり違う。そこをどうコラボレーションさせるかを探索していくことが、AI時代の知というものだと思います。」
セッション発言録 第3回・「振り返り」の節「『AIと人間のコラボレーションだ』『AIは黒子でエージェンティックだ』と言うことはできるんですけど、実態は、今日体験していただいたようなものを、もうちょっと本当に使えるものにしていけるかどうか。それを解けるかどうかなのかなと思っています。」
セッション発言録 第3回・「振り返り」の節「人材戦略では、AIによって明らかに仕事を失う人が出てきます。社員だけを満足させて業績が伸びなければ意味がない。全員を満足させる会などなかなかない。それでも、仮想ヒアリングやAIツールで短時間に妥当性を洗い出し、環境変化についていく速さで人材戦略を改訂できることが、競争力につながる可能性があります。」
セッション発言録 第3回・「プロジェクト構造の改良」の節「申込動機とアンケートをAIでクラスタリングすると、だいたい4類型に分かれます。戦略を預かる人、現場と組織を動かす人、手を動かせる人、これから登る人。上級者と初心者という縦の差だけでなく、それぞれが持ち寄れるものと磨きたいものが違う。全員が、磨きたいものを手に入れると同時に持ち寄る側にもなれる場にしたいんです。WHYを持つ人とHOWを持つ人がつながる場に。」
セッション発言録 第3回・「プロジェクト構造の改良」の節「月2時間のセッションは、どうしても受け身になりがちで、技術に寄りがちで、ついていけない人も出る。アンケートでも『もっと手を動かしてやり切りたい』『やり切る体験がないと自分事にならない』という声が多かった。だから戦略レーンと実践レーンの2レーン×3段階(守破離)の挑戦セットを用意して、取り組んだ記録を挑戦ボードに持ち寄り、次回冒頭で紹介する。どちらか一方の一段だけでも立派な挑戦です。」
セッション発言録 第3回・「締めのディスカッション」の節「暗黙知のAI表出化、集合知の構造化、人材のAIマッチ、AI前提の人員配分を本気で進めた会社が現れた業界では、3年後、競争優位の源泉が入れ替わります。ベテランの経験知や社内イントラの蓄積、独自の文化、採用力、営業量 ― そのうち何が効かなくなり、何が効くようになるのか。実際に皆さんに書いてもらうと、『従来の知識蓄積から共感・言語化型へ』『知識の個人での抱え込みから共有へ』といった転換が立ち上がってきました。知を多く持つことより、引き出し・結び・流す力へ移っていくんです。」
セッション発言録 第3回・「次回案内」の節「第4回は実装レイヤーに戻って、物理世界との接地 ― フィジカルAIの Sense、Think、Act をLLMでどう扱うかです。もともと警備巡回で泥棒を探すゲームを考えていましたが、面白いけれど実用性が薄いのでやめて、地図や衛星写真で場所を探索するとか、画像認識でのAI接客みたいに、また違う視点で『AIでここまで広がる』とイメージが湧くものにしようと思っています。そして次回からは受け身ではなく参加型へ ― AIでこんなことをやった、作っている、困っているので一緒にやりたい、何でもいい発表枠(5〜10分)を新設します。」