今のAIの使い方は、壁打ち・資料作り・情報収集が中心だった
始めに、どのAIをどの程度使っているかを全員で出し合うと、相談・壁打ち、資料や画像の作成、情報収集が中心だった。AIにプログラムを書かせる段階、プログラムからAIを呼んで仕組みで回す段階へは、セッションのうちに手を動かして進んだ。
始めに、どのAIをどの程度使っているかを全員で出し合うと、相談・壁打ち、資料や画像の作成、情報収集が中心だった。AIにプログラムを書かせる段階、プログラムからAIを呼んで仕組みで回す段階へは、セッションのうちに手を動かして進んだ。
参加者は物語を進める指示のファイルを手元のAIに渡し、業界や会社の規模などを答えて、自分の業界の未来の物語と画像を作らせた。見せ合うと、業界ごとに明暗どちらもありうる分かれ道が浮かび上がった。最後は同じ会話に戻り、その日の技術を戦略に結びつけた続きを書かせた。
参加者は、自分の業界・部門で人が情報を処理しきれなくなるところを数行で書き出し、同じ問いを新しい会話でAIにも考えさせた。続けて自分の文を添え、人の案とAIの案を比べて一つにまとめさせた。手元ごとに少しずつ違う答えが返ること自体が、AIの振る舞いを示していた。
直前の48時間に世界10言語で集め、日本のビジネスに重要なものをAIが選んだ100件のニュースを、参加者は手元のAIに丸ごと渡し、一行ほどの自由な指示で要約や仕分けをさせた。英語や中国語などが混ざっていても、今のAIはこの量を一度に読み切れることを体感した。
続けて、事業の先読み、人材育成、取引先への対応の3つから自分に近い目的を選び、業界・部門を添えて同じニュースを使わせると、すぐに使えるレベルの資料が返ってきた。一行の指示とは質がまるで違い、目的と背景をどれだけ言葉にできるかで結果が分かれた。
参加者はニュースを集めるプログラムを指示文でAIに書かせ、インストール不要で無料のクラウド環境(Google Colab)に貼って実行した。エンジニアでない人には初めてのコード実行で、エラーが出ればその文をAIに貼り返して直させる、という往復で進めた。
セッションで触ったニュースのWebアプリは、Claude Codeに5〜10回ほど指示しただけで、コードを一行も書かずに作られていた。作り込んだ例として、10言語で集めた2000件をAIが全件評価して上位100件に絞り、毎日自動で動く仕組みも全員で見た。
画面での対話とは別に、プログラムからAIを呼ぶAPIを使った。参加者はまず1つの業界向けの提案を1回、業界を変えて5回続けて作らせた。1回およそ5秒・0.07円で、同じことを何百回でも繰り返せる。最後は先に選んだ目的のプログラムを各自AIに書かせて動かした。
100件のニュースを取引先ごとに評価し、相手ごとの注目の記事、想定される最初の反応、返すべき質問までを一度に作った例を全員で見た。APIを65回呼んで約8円。担当者が自分でAIを使わなくても、担当先ごとの準備が手元に届く営業の組織の姿まで示された。
ニュースをAIに評価させ、どの部署がどの記事を重視するかを色分けして、関心の近い部署どうしを近くに並べた地図を全員で見た。近いものを近くに置く昔ながらの分析とAIの大量評価を組み合わせたもので、かつてはデータサイエンティストに数千万円をかけた種類の地図だ。
毎朝ニュースを自分宛てやSlackに届ける仕組みを、コードと設定手順ごとAIに書かせる指示文を持ち帰った。Webアプリを作らせる試作用と本格版用の指示文もある。Colabは90分ほどで消えるので、定期実行はGoogle Apps Scriptなどに載せる。
セッションで使ったノートブックと指示文に加え、自分のAPIキーを取って差し替え、利用量が管理画面に出るかを確かめる手順を持ち帰った。体験に使った無料枠は1分あたりの回数の上限で管理され、その範囲なら費用を気にせず使える。同じ指示を3つのAIで比べる続け方も示された。
AIと対話する段階から、AIにプログラムを作らせる段階、プログラムからAIを何百回でも呼んで仕組みで回す段階まで、約2時間で順に上った。情報の取得、API、大量の処理、自動化、アプリ化まで、これだけのことができると参加者は体感した。
製造業の部品検査、小売の品揃えと接客、コンサルの調査、銀行の与信審査という4つの業界で、人が情報を処理しきれない壁が外れたあとの姿を全員で見た。どの業界でも、AIに置き換わる部分と人に残る部分が同時に浮かび上がり、その境目が産業構造の変わり目になっていた。
画面でAIと対話した結果は、使う人の書き方しだいで質がぶれた。同じ処理をプログラムに組み込むと、一括で一定の質で動く。参加者は両方を手で動かしたうえで、営業の準備を担当者全員に配る例と並べ、その差が生産性ではなく会社の競争力の差になる筋を確かめた。
かつては専門家に大金を払って作った部署ごとの関心の地図が、目的さえ与えればAIで作れてしまう。作る部分での差は消え、何を作るかという問いと、結果をどう意思決定に生かすかの両端へ価値が一気に移ることが浮かび上がった。同じ仕組みは、顧客の声をどの部署が受け持つかの割り振りにも使える。
1日分のニュースも30日・1年と溜まれば、世界の動きそのものが分析の対象になる。一度作った仕組みは1人用から社員1000人・1万人用へ広げられ、担当ごとに別の情報を届けることもできる。顧客データや営業日報、面談の記録も、溜めれば同じように生きることが見えてきた。
エンジニアでない参加者も、AIに書かせたプログラムを動かし、エラーを直させる往復を自分で経験した。多くの会社でAIの取り組みが止まるのは、作る工程がエンジニアの世界に閉じて事業の側に届かないからだという見方と重なり、戦略を描く人が作る役も兼ねる姿が、身近なものとして浮かび上がった。
体験用に用意したAPIキーは、終わったあとに無効にした。本来は人にもAIにも渡さない、入社初日に注意されるたぐいのものだと全員で確かめた。大企業のキー流出の報道はまさにこの話で、プログラムからAIを呼ぶ段階に進むと、この鍵の扱いが自分の手に委ねられる。
持ち帰った課題の一つは、人が情報を処理しきれない壁が外れると自分の事業や担当のどこで特に効くかを考え、すぐ適用できる応用と、簡単ではないが影響の大きい応用とに分けて言葉にし、できれば試作してみることだった。
ネットの普及期に世界を変えたのは、表計算やブラウザの使い方を学んだ人ではなく、ネットを前提に事業そのものを構想した側だった。全員でこの相似形を振り返り、世界の時価総額の上位がかつての日本企業からAI系の企業へ入れ替わった事実とも並べて、自分の業界の物語を書かせる出発点にした。
セッション発言録 第1回・「導入・問題意識」の節「1990年代、Windows95とともにPCやインターネットが普及したとき、多くの人が『ExcelとWordを使えなきゃ』『ブラウザを使えなきゃ』と講座に通いました。でも30年を振り返って世界を変えたのは、Amazon、Google、Netflix、Uberを作った人たちで、講座の受講者ではなかった。これを日本から生み出せなかったのが、いまの状況を生んでいるんです。」
セッション発言録 第1回・「導入・問題意識」の節「Claude講座やOpenAI活用講座はそこら中にあって、僕も感動しています。でも、それに感動しているだけじゃまずい。それを受けた人が、30年前に世界を変えたのと同じように世界を変えるかというと、その延長線上にはないと思うんです。」
セッション発言録 第1回・「導入・コンセプト」の節「ツールとしてのAIを使うのは当然大事。でもその先に、AI前提で企業戦略を、そもそも産業構造自体を変える ― DXならぬAIトランスフォーメーションの時代を、むしろ作っていく側の人材にならなくちゃいけない。AIに置き換えられる側と、AIで新しい世界を作る側。この違いこそが分かれ目です。」
セッション発言録 第1回・「導入・コンセプト」の節「戦略の知識理解を討議する場は経営大学院などにいくらでもできる。実際に使う側ではツールの勉強会やAI開発会社は増えている。でも『戦略×実践』の右上は、なかなか埋まらない。そこが、これからの未来に必要なんじゃないかと思っています。」
セッション発言録 第1回・「導入・コンセプト」の節「Howを考えることは、Claude Codeも含めてとても簡単になりました。だけど、何をやるかの方がやっぱり大事なんですよね。」
セッション発言録 第1回・「全体の地図」の節「AIをどこで実装するかというレベル、企業の組織自体が変わるレベル、産業や戦略自体が変わるレベル。第1層=実装、第2層=組織変革、第3層=戦略転換。今日はその最下層、[1A]人間の認知容量の解除を起点にします。回を重ねてこの15マスのカバレッジを広げていきます。」
セッション発言録 第1回・「全体の地図」の節「対話型で使う人が多いと思いますが、次は作らせる、さらにシステムから何十回・何百回・何千回と呼び出す。ここまで来て初めてスケーラビリティが出て、戦略インパクトが出る。ノンエンジニアで戦略を考える人も、押さえておく必要があります。」
セッション発言録 第1回・「全体の地図」の節「社内データは利用のハードルが高いので、今日は身近でイメージしやすいニュースを題材にします。世界中で大量のニュースが流れ続ける状況は、『人間の認知容量の限界』の一番わかりやすい例でもあるんです。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン①認知容量」の節「AIには課題をいくらでも投げられますが、現場としての課題感を持っているのは人間です。自分の業界・会社の戦略がどう変わるか、その土地勘として何が大事かに気づくことは、まだAIには十分できない。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン②ニュース100件」の節「これは当日時点で、過去48時間ぶんを世界10言語のGoogleニュースから集め、日本のビジネスにとっての重要性を基準に選んだ100件です。人間が全部見るのは大変ですが、AIなら読むのは一瞬です。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン②ニュース100件」の節「同じニュースでも目的を決めて使います。A:事業先読み(判断が後手 → 先手を打てる組織に)、B:人材育成(情報感度のばらつき → 文脈に合わせて与える)、C:取引先対応(商談相手の関心が読めない → 先回りして話題を押さえる)。自分に近いものを選んで実行してください。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン②ニュース100件」の節「『最強テンプレ』はもう使う必要がない。賢いモデルが自分で考えてくれるのに、わざわざ思い出して当てはめるのは時間の無駄です。大事なのは、いま自分が抱えている課題は何で、何のためにAIに何をさせたいのかをどれだけ言語化できるか。ある種の国語力ですが、誤字脱字や堅苦しさはAIが汲んでくれる別物です。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン②ニュース100件」の節「最新のClaudeなどは一発でかなり使えるものを出します。でも、その業界のプロほど『この分野ではもう少し良くしたい』と分かる。AIのファーストドラフトに対してフィードバックを返し、次々にレベルを上げていく ― その差が、AI時代の人材の差になります。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン①認知容量・産業シナリオ」の節「製造業(自動車部品)は、ベテランの目視・抜取検査が誇りでしたが、1回1円ほどで全数検査ができ、品質保証の前提が変わって新しい製造モデルへ。小売は、品揃えと接客の勘から、テーラーメイドを安く、需要を世界の情報からリアルタイムに掴むモデルへ。コンサルは、人月で情報を集めて解く価値がAIに置き換わる一方、論点設定と価値判断が人の価値として残る。銀行は、与信審査がAIに置き換わる代表例で、対面と質の高い対話が残る。置き換わる部分と残る部分の境目こそが、産業構造の変わり目です。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン③AIコーディング」の節「ノンエンジニアの方には人生初のコード実行かもしれません。エラーが出たら、そのエラー文をAIに戻して『直して』と頼めば直してくれる。多くの会社のAIトランスフォーメーションが止まるのは、ここがエンジニアの世界になってノンエンジニアに届かないから。だから半分だけAIエンジニアを体験してもらいます。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン④API」の節「システムからAIを呼べば、何百回でも何千回でも、何万回でも繰り返せる。だから社内データの一括処理も顧客への個別対応も、初めてスケーラブルにできる。費用は従量課金で、1回だいたい1円弱です。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン④API」の節「APIキーは入社1日目に注意されるようなもの。これさえあれば誰でもAIを使えてしまうので、人にもAIにも渡さない。大企業でキーが流出したというニュースは、まさにこの話なんです。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン④API」の節「これまで専門家でなければ作れなかったものが、もう素人でも作れてしまう。つまり、競争優位性の源泉そのものがシフトしているということです。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン④API」の節「5人の営業先それぞれに別のニュースをピックアップし、『この客はこれを気にしている』『こう提案すれば刺さる』『こう質問を返す』まで一括生成して各担当に配れば、各自がAIを叩かなくていい。これはもう生産性改善ではなく、AI駆動型の営業部隊かどうかで成績が変わる、会社の競争力の話です。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン⑤可視化」の節「1万件のスコアリング、リスク検出、レコメンド ― そして、どの記事が大元で結果どれが起きたかという因果連鎖まで、100件の全組み合わせをAPIに投げれば一瞬で考えさせられる。昔のデータサイエンスでは不可能だったことです。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン⑤可視化」の節「100件のニュースを、15部署の誰がどれを重視するかで色分けした関心マップを作りました。昔なら数千万円でデータサイエンティストを動かして作るものが、目的さえ与えればAIで作れてしまう。作る部分の差別化は消え、価値は『何を作るか』と『どう意思決定に反映するか』の両端へ一気にシフトするんです。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン⑥仕組み化」の節「今日使ったのは一日のスナップショットですが、30日、一年と溜まれば、世界がどう動いているかの分析対象になります。顧客の声も営業日報も同じで、蓄積されてこそ意味が出てくる。」
セッション発言録 第1回・「ハンズオン⑥仕組み化」の節「定期実行はGoogle Apps Scriptが手軽です(Colabは90分で消えるので恒常運用には不向き)。毎朝、部署ごとにカスタマイズしたニュースをメールやSlackに流せる。今日触ったニュース可視化アプリも、1か月前にClaude Codeへ10回ほど指示しただけで、一行も書かずに作ったものです。」
セッション発言録 第1回・「振り返り」の節「基盤モデルは日々入れ替わります。全部をクロスして使いながら、常に一番いいものを使えるポジションを取るのがいい。世界中でAIをビジネスに組み込む人たちは、この組み合わせ方をずっと工夫しています。」
セッション発言録 第1回・「振り返り・次への物語」の節「エンジニアと戦略家が分業していては、新しいものは作れない時代です。エンジニア的なことは誰でもできるようになったからこそ、戦略を描く人もAIエンジニアを兼ね、自ら新しいものを作っていく。技術と、目指す世界像を組み合わせてこそ、戦略の物語の続きを自分で書けるんです。」
セッション発言録 第1回・「クロージング」の節「新しい発見の旅とは、新しい場所に行くことではなく、いつもの景色を新しい目で見ること。今日のAI体験は、その『新しい目』のひとつです。別の業界に移らずとも、自分の業界が違った光景として見えてくる。」
セッション発言録 第1回・「導入アイスブレイク」の節「裏で動くファウンデーションモデルには重い/軽いがあり、数字はバージョン番号。カットオフは学習データの締め日で、それ以降のことは、検索しない限りモデルの頭の中には無い。AIを実務で使うなら必要な基礎知識です。」
セッション発言録 第1回・「全体の地図・作らせる段階」の節「『Claude Codeで大量に作れる』と言う人は多いですが、意味のないものをいっぱい作れば、ゴミにあふれる時代になっていく。そうではなく、目的から逆算して何を作るのかが大事な時代になります。」
セッション発言録 第1回・「導入・立て付け」の節「個別の勉強会でもなく、ディープラーニングやTransformerの体系的座学でもなく、活用事例の共有会でもなく、大企業向けのシステム実装そのものでもない。手を動かしながら、現在進行形でAI時代の戦略を一緒に考えていく場にしたい。月次で新しいものを作り続け、『修了』というコース型にはしません。」
セッション発言録 第1回・「次回案内」の節「第2回はAI戦略のダイナミズムに踏み込みます。AIに相談しながらビジネスアイデアを作り、プロトタイプや画像にし、10人の仮想顧客(AIペルソナ)がどれを選ぶかで磨く。さらに大手・スタートアップ・巨大プラットフォーマーの陣営に分かれ、Claude・GPT・Geminiの3モデルが審査する対抗戦も。この仕組み自体もClaude Codeで作っています。」