今日のダイジェスト
- 世界半導体の覇権が地政学で再配分される局面/AIの競争が計算基盤の国内確保へ広がった日/買収で人材とAI基盤を掛け合わせ、組織能力で伸びる
- AI導入競争から成果競争へ。エージェントの深さが問われる/人型ロボットが試作から量産へ。物理AIの事業化の局面/AIの競争力が、モデルから自前チップとメモリの供給へ
- 催し2件(うち更新1)・いちばん近い開催は11/9
- WHY低気圧通過と高温情報/Metaの最新AI発表/iPhoneセールと予約/日本GDP世界6位転落 — 4話題
世界のビジネスニュースから
3件「米国の製造回帰が本格化」 米州の製造装置市場は3年で2倍に:SEMICON West 2026
第2回「ニュース投票」の記録を読む →セッション発言録〈第2回・「ニュース投票」の節〉で、こう語られていました —「投票で上位に来たのは、SpaceXのIPO、そして『Fableが止まった』話。もし公開が一部地域に限られたら、日本の安全保障としてどうなのか、というところまで関わってくる。とはいえClaude・Gemini・OpenAIが競っているので、一つが止まっても他が使えるだろう、という見方もできます。」
セッションでは、サービスの公開範囲や停止が安全保障に関わってくる一方、複数が競っていれば他で代替できるという視点が共有されていました。米国の製造回帰と中国国内の半導体開発の加速は、AI基盤のサプライチェーンが地政学的に分断されつつある現実を示しています。特定地域や単一の供給網に依存するリスクが顕在化するなか、組織の技術基盤をいかに複数化し自立性を保つかが、今後の競争優位を左右するかもしれません。
アンソロピック、大阪にAIデータセンター建設へ NTTと協議(朝日新聞)
第1回「振り返り」の記録を読む →セッション発言録〈第1回・「振り返り」の節〉で、こう語られていました —「基盤モデルは日々入れ替わります。全部をクロスして使いながら、常に一番いいものを使えるポジションを取るのがいい。世界中でAIをビジネスに組み込む人たちは、この組み合わせ方をずっと工夫しています。」
セッションでは、基盤モデルは日々入れ替わるため全部をクロスして使いながら常に一番いいものを使えるポジションを取るのがよいと語られていました。アンソロピックの国内インフラ整備は選択肢をさらに厚くしますが、特定の基盤に固定されるのではなく、インフラの近さや性能の変遷を見極めながら組み合わせ方を工夫し続ける姿勢こそが、企業の競争優位を左右するのではないでしょうか。
松尾研発AI企業「PKSHA」、積極M&Aで年3割増収 買収先人材と掛け合わせ
プロジェクトの前提を読む →プロジェクトの前提 —参加者は4類型に分かれる ―― 戦略を預かる人、現場と組織を動かす人、手を動かせる人、これから登る人。上級者と初心者という縦の差だけでなく、それぞれ持ち寄れるものと磨きたいものが違う。全員が、磨きたいものを手に入れると同時に持ち寄る側にもなれる。
このプロジェクトが置いている前提は、戦略を預かる人や現場を動かす人など、異なる強みを持つ人材が互いの資源を持ち寄り融合することの重要性です。PKSHAのM&Aによる増収は、AI基盤という技術と買収先の人材が持つ現場の知見を掛け合わせ、新たな競争優位を確立した好例といえます。技術単体ではなく多様な役割が結びつく組織構造をつくることが、事業拡大の本質的な推進力になります。
AIニュース(日本でビジネスをする人の視点)
3件シーメンス「AI導入より成果が重要」企業向けエージェント公開
セッション発言録〈第5回・「ハンズオン②世界編」の節〉で、こう語られていました —「変化の深さD0からD4のうち、各社が公表しているのはだいたいD0からD1ぐらいの深さのアイデアしか出していない。けれど今回32個出させたものには、もっと深く考えようということでD2・D3・D4案がたくさん出てきた。2034年頃にはD4ぐらいまでの案がたくさん出てきているという分布になります。」
各社が公表する取り組みは現状D0からD1程度の深さにとどまることが多いとセッションで確認しましたが、シーメンスやSAPが示す自律型エージェントの動きは、より深い変化への移行を予感させます。単なる効率化の導入から成果創出や複雑なプロセスの自律化へ踏み込む試みは、将来的にD2からD4へ至る産業構造の転換を先取りしているとも捉えられます。公表情報にとどまらず、自社がどの深さの変化を目指すのかが問われます。
テスラ、人型ロボット「Optimus」の量産体制へ移行
第4回「回全体」の記録を読む →回のテーマ第4回 —「物理世界に接地したAIは、事業戦略と競争のルールをどう書き換えるか」(実装・第1層 [1E]物理世界との接地と作用/視座は第3層の競争優位にも接続)
第4回のテーマは、物理世界に接地したAIが事業戦略や競争のルールをどう書き換えるかという視座を置いています。人型ロボットの量産体制への移行は、AIの競争領域が画面内の情報処理から、物理世界へ直接作用する実装基盤の構築へ移ったことを示しています。ハードウェアとAIを統合した量産能力そのものが、今後の産業構造を左右する強固な参入障壁や競争優位を形作っていきます。
MS、独自AI半導体「マイア300」公開 NVIDIA依存脱却へ
第3回「ハンズオン②コード生成」の記録を読む →セッション発言録〈第3回・「ハンズオン②コード生成」の節〉で、こう語られていました —「Geminiはキャンバスモードにすると最初から実行可能なコードを作ってくれて、Claudeは一番下のHaikuでも一瞬でこれを書きます。ところがChatGPTの無料版は、この難しくないお題すら、なぜか書きたがらない。数週間前からの挙動で、お金を払わない人には賢いことをさせない方針っぽい。一つのプラットフォームに依存することの怖さは、こういうところに出ますよね。」
セッションでは、一つのプラットフォームに依存することの怖さが指摘されていました。この構造はモデル選びだけでなく、巨大テックのインフラ層でも全く同様です。マイクロソフトが独自半導体を投入して特定企業への依存脱却を図るように、供給網や技術基盤の自給率を高めることは、市場競争を生き抜くための本質的な防衛策と言えます。自社のAI戦略が特定ベンダーに縛られていないか、複線化の視点が問われています。
ウォッチしたいイベント
2件🌱 今日のWHYの種
4話題10月の暑さで冷やりとした経験が、夏の手順書に載らない穴として一覧になる
暑さの手順は夏のものとされ、10月の暑さで困った記憶は人の頭に散らばったまま。書き出して並べれば、これまで誰も持っていなかった秋の暑さ対策の一覧ができる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 手順書の改訂は、安全衛生や施設管理が毎年の業務として行っている。秋の暑さ分を足す根拠が、いまは誰の手元にもない。
- 勝てる理由
- 同じ現場で汗をかいた人の記憶は、その現場にいた人しか出せない。外の人には書けないが、やり方自体は真似されやすい。
- 誰に、どう呼びかけるか
- 同じ現場の同僚3人に声をかけ、去年の10月に暑くて困った場面を各3つ書いてもらう。AIで整理して1枚のチェック表にし、上司に見せる。
- この案が強いのは
- 10月の暑い日の現場で実際に動き、何が足りなかったか覚えている人の手にあるとき強い。
地元の過去の行事記録と公開気象データを突き合わせ、屋外イベントごとの『搬送リスク急増ライン』を3日前に特定する
秋晴れの週末は人が集まるのに、暑さへの備えは夏のイベントほど整っていない。早めに分かれば、帰り道に具合を悪くする来場者を減らせる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 地域行事や学校行事の担当は、日除けテント・飲料・救護の人手を直前の手配で払っている。直前の追加は割高になりやすい。
- 勝てる理由
- 気象庁や消防の公開データは誰でも使えるので真似されやすい。差が出るのは、過去の開催記録と来場者の様子を覚えている現場の人だけ。
- AIに何から聞くか
- 気象庁・消防の公開データに、地域の公民館や実行委員会に残る過去の開催日誌(人出や救護テント稼働実績)を掛け合わせ、その土地特有の危険温度ラインをAIで導き出して3日前アラートを出す仕組みをつくる。
- この案が強いのは
- Webに公開されていない自治体・学校の『過去の開催日誌や救護記録』を入手・蓄積できる、地域密着のネットワークがある点。
第4回「戦略への視座」の記録を読む →セッション発言録 この話題は〈第4回・「戦略への視座」の節〉につながります —「『データ優位』の定義が変わる。蓄積済みのテキストではなく、現場に眠る映像・音声・図面が競争資産になる。デジタルで出遅れた『現場を持つ企業』にこそ反撃の機会がある。製造・物流・医療・建設など、IT化しにくいとされた産業がAIの主戦場になり、モデルは共通化へ向かい、価値は独自データ×業務文脈の側に移る。」
この話題で出たほかの案(4件)
荒天の日だけ納品の時間枠を、取引先と前もって動かせる約束にしておく
前線が通る日、ドライバーは遅れを詫びながら走り、荷受け側は待たされる。雨の日だけ枠を動かせる約束が先にあれば、どちらも謝らずに済む。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 遅延時の待機料・再配達費・荷主への遅延ペナルティが、運送会社と荷主の間で毎回もめながら払われている。
- 勝てる理由
- 荒天日の運行実績は運送会社の記録にしかない。荷主と先に条項を結んだ運送会社は、乗り換えにくい相手になる。
- 誰を、どう動かすか
- 過去の荒天日の遅延記録を1枚にまとめ、荷主の物流担当に持参する。警報級の雨予報が出た前日だけ納品枠を後ろへずらせる条項を、1拠点で試す。
- この案が強いのは
- 荒天のたびに現場で調整してきた配車担当や営業の手にあるとき強い。
季節の入れ替えを暦ではなく気温の実績で決める商売に組み替える
10月に半袖が要る年もあれば、急に冷え込む年もある。暦で決めた仕入れでは、客が欲しい時に棚が合わない。棚が気温に追いつけば、客は買いそびれず、店は売れ残りを抱えない。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 衣料・飲料・外食の季節商品の売れ残り値引き、廃棄、在庫評価損が、期末に損失として出る。半年前の発注量で決まった分だ。
- 勝てる理由
- 暦に沿った展示会と発注の慣行が壁になる。先に取引先と気温連動の追加生産枠を押さえた企業は、データが溜まるほど有利で、後発は枠を取れない。
- どの前提を疑うか
- 「10月は秋物・鍋」という前提を疑い、過去5年の気温と売上の週別のずれを並べる。暦どおりに売れていない週の数を、仕入れ会議の最初の議題にする。
- この案が強いのは
- 仕入れや企画で、暦どおりにいかなかった年の痛みを何度も味わってきた人の手にあるとき強い。
雨が強まる時間帯の前に、屋外現場の段取りが前夜のうちに組み替わっている
見送り:混雑・差別化あり/58.8点
強い雨は朝の数時間だけでも、班長は毎朝いくつもの予報を見比べて決めている。前夜に段取りが決まれば、朝の慌ただしさと無駄な待機がなくなる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 雨で手待ちになった作業員の人件費や、再訪問の移動費が現場ごとに出ている。工事・設備・配送の原価に積み上がっている金だ。
- 勝てる理由
- 雨で何が止まり何が続けられるかは班長の頭の中にある。予報会社は作業予定を持たず、真似するには現場に入り込む必要がある。
- どう作るか
- 1現場の週間作業予定と前夜の予報文を渡し、時間帯ごとの前倒し・後ろ倒し案を出させる。班長の直しを記録し、手待ち時間の差を経営へ示す。
- この案が強いのは
- 雨で何が止まるかを予報より先に知っている、現場の班長や職長の手にあるとき強い。
季節外れの高温の週に、現場の事故や欠勤がどれだけ増えるか数字で言えるようにする
見送り:混雑・差別化あり/57.4点
秋の高温は夏の暑さ対策の予算にも手順にも入っておらず、現場が我慢で乗り切っている。どの職場で何がどれだけ崩れるかが数字になれば、備えを堂々と求められる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 熱中症対策の備品や空調費は夏の予算止まり。秋の欠員補充の派遣費や残業代が、根拠のないまま現場の持ち出しになっている。
- 勝てる理由
- 勤怠・ヒヤリ報告・日報は自社の中にしかなく、気象会社や外部コンサルは手が届かない。ただ同業が同じ表を作れば真似はされる。
- 何を、どう測るか
- 過去3年分の10月の勤怠とヒヤリ記録を日別気温に重ね、平年並みの週と並べる。差を1枚にして、経営会議と同業の勉強会の両方に出す。
- この案が強いのは
- 秋口の暑さで現場が崩れた肌感を、数字にする前から持っている人の手にあるとき強い。
去年は使えなかったAIで、諦めた仕事が今どこまで通るかを同僚に見せられる
半年前に「使えない」と見切った仕事が、そのまま止まっている。頼む発想すらなかった手書き記録の読み取りも含め、止まった仕事が動き出す。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 部署が外注している文字起こし・翻訳・資料下書きの費用や、残業で埋めている定型作業の時間から出る。
- 勝てる理由
- 去年なにを頼んで何が外れたかを覚えているのは、その業務の担当者だけ。他の人には再挑戦の問いが作れない。
- どう作るか
- 過去にAIで失敗した依頼を5〜10件ノートから拾い、同じ文面を新しいモデルで流す。旧い結果と並べた1枚のスライドにして同僚に見せる。
- この案が強いのは
- 長く同じ業務を担当し、「ここが難所」と身体で知っている人ほど、再挑戦の問いを正確に選べる。
最強モデルの座が半年で入れ替わっても、事業の強みが揺らがない構えにする
一社のモデルを前提に組んだ事業は、首位が替わるたびに作り直しを迫られる。どのモデルが来ても残る強みが、事業の側にはっきり決まる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- いま特定モデル向けのPoC外注費とプロンプト調整の社内工数に払っている。その一部を、乗り換えできる設計と評価データ作りへ付け替える。
- 勝てる理由
- 業務の正解データ(過去の判断やクレーム対応の履歴)は、現場を持つ自社しか溜められない。モデルは買えても、これは買えない。
- どの前提を疑うか
- AI投資案件を一覧にし、「モデルが替わったら捨てるもの/残るもの」に仕分ける。同じ課題を3社のモデルで同日に走らせ、差を肌で見る。
- この案が強いのは
- 自社の業務で「何が正解か」を判断してきた経験のある人が持つと、評価の物差しそのものが事業の強みになる。
第4回「導入・経営会議」の記録を読む →セッション発言録 この話題は〈第4回・「導入・経営会議」の節〉につながります —「半年前・1年前には独自価値があってお客さんに喜んでもらえたものが、この半年でAnthropicやGemini、OpenAIが公式に出してきたり、先行する会社が標準の立場を取ってしまって、今更もう勝てなくなる。30年前にインターネットサービスを考えたとき『それAmazonやGoogleが作ったら負けるよね』と言っていたのと同じことが、いま起きる。」
この話題で出たほかの案(4件)
発表のたびに「うちも替えるか」と問われる現場が、一枚の根拠で即答できる
現場は発表のたびに「うちも替えるべきか」と聞かれ、そのつど調べ直している。根拠が一枚あれば、答えが数日待ちから当日になる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 情シス・DX担当の比較調査の工数と、外部コンサルのモデル比較レポート(数十万円規模)の外注費から出る。
- 勝てる理由
- AIが外した実例を持つのは、毎日その業務を回している現場だけ。外部の比較表には、自社の難所が載らない。
- AIに何から聞くか
- 現場でAIが外した実例を10件集め、新旧モデルと対話して結果が変わる軸を探る。それを経営向けの「乗り換え判断の3問」に書き直す。
- この案が強いのは
- 現場で「AIが外した場面」を何度も見てきた人が、上に出す判断基準を最も具体的に書ける。
新モデルが出た翌日に、日本語の実務問題での実力が仲間内で見比べられる
発表の数字は英語中心で、敬語・商習慣・手書き帳票の実務で使えるかは誰も教えてくれない。参加者が翌日に自分の目で判断できる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 各社が個別に払っている新モデル検証の担当者工数(月数日分)を、参加者で分担する形に変わる。
- 勝てる理由
- 各自の本物の業務の問いは、持ち寄った人しか出せない。続けるほど新旧の推移が溜まり、後から入るほど追いつきにくい。
- 誰に、どう呼びかけるか
- プロジェクトの場で「自分の業務の問い1問と採点基準」を持ち寄るよう呼びかけ、共通シートに溜める。新モデルが出たら全員で同じ問いを流す。
- この案が強いのは
- 業界ごとの癖のある実務の問いを、匿名化して出せる人が集まるほど、共有シートの価値が上がる。
半年で首位が替わる時代でも、取引先とのAI契約が特定モデルに縛られないようにする
見送り:空席/59.3点
モデル固定で結んだ契約では、新しいモデルで原価が下がっても品質が上がっても、納品物にも価格にも反映されない。発注側も受託側も損をする。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- いまAI関連の受託開発・保守に年額で払っている契約費が対象。更新時に再見積できれば、据え置きの割高分を取り戻せる。
- 勝てる理由
- 契約改定を持ちかけられるのは既存の取引関係にある当事者だけ。先に条項を標準にした側へ、取引先が合わせやすい。
- 誰を、どう動かすか
- 既存のAI関連契約を1本選び、「モデル変更時の再評価・再見積」条項案を作る。法務と取引先の担当に持っていき、次の更新で試す。
- この案が強いのは
- 発注と受託の両側の契約を実際に経験している人が、双方が飲める条項の落としどころを書ける。
お客さんが問い合わせの前にAIへ聞いた答えが、自社について正しいか確かめられる
見送り:混雑・差別化あり/58.4点
手元のスマホAIに営業時間・料金・対応範囲を聞いてから来る客がいる。AIが古い答えを返していても、事業者は誰も見ていない。それが見えるようになる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 誤情報が原因の問い合わせ対応・クレーム処理の人件費と、情報整備に使っている広告・MEO対策費から出る。
- 勝てる理由
- 窓口や電話で実際に聞かれる質問と自社の正解を持つのは自社だけ。外部の診断ツールは、客の質問の実態が分からない。
- 何を、どう測るか
- 窓口で聞かれがちな質問30個を複数のAIに同日に投げ、自社の正解と照らして誤答率を表にする。毎月同じ質問で繰り返して推移を残す。
- この案が強いのは
- 客の口から出る質問を日々聞いている窓口・店舗の経験者が、本当に聞かれる質問リストを作れる。
2年後に返す端末が免除対象から外れる確率を、部署の使い方から見積もれる
営業で外に持ち出す端末は、落下や画面割れの確率が事務職と違う。返却前提で借りて追加請求が出るかを、誰も数字で考えたことがなく、勘で契約している。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 30台を2年借りれば総額700万円超になる。追加請求や買取不能が出れば、部署の予算から払うことになる。
- 勝てる理由
- 自部署の端末がどこで落ち、どう壊れたかは、使ってきた本人たちの記憶にしかない。外部は持てない。
- AIに何から聞くか
- AIに免除条件を読み解かせ、過去の故障の記憶と照らして『外れるケース』を一覧にする。一括と返却の総額比較を、上司に一枚で見せる。
- この案が強いのは
- 現場で端末がどう壊れてきたかを覚えている人でなければ、条件に落ちる場面を挙げられない。
予約の前に『結局いくら得か』を客が自分で言えて、窓口の説明が半分で済む
予約や支払い方法の質問で、店頭は一人のお客に長く付きっきりになる。お客も聞きそびれたまま決める。比較が最初から手元にあれば、窓口は選ぶ相談に集中できる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 発売週に携帯ショップが積む応援スタッフの人件費と、説明待ちで席を立つ客の取りこぼしが出どころ。説明時間の短縮は人件費に直結する。
- 勝てる理由
- 客が実際に何で迷い、どこで席を立つかは、窓口に立ってきた人にしか書き留められない。本部のFAQには載らない質問が多い。
- 誰に、どう呼びかけるか
- 同じ売り場の仲間3人に声をかけ、1週間『予約前の質問』を付箋に記録して持ち寄る。AIで分類し、対応時間の内訳を店長に数字で見せる。
- この案が強いのは
- 毎日お客の迷いを聞いている窓口担当は、質問の本当の順番を知っている。
セッション発言録 この話題は〈第5回・「ハンズオン③判断編」の節〉につながります —「この分岐シナリオが5分10分でできる。AIがなかった時代に頼んでいたらいくらだったんだろうという気もしますし、逆に、今日集まっている皆さんの中にもコンサル業の方が何人かいらっしゃると思いますが、これはもうお客さんが自分でできることを前提に、我々ビジネスプロフェッショナルも仕事をしなければいけない、という逆側の危機感もありますね。」
この話題で出たほかの案(4件)
新しい形の端末が出た日に、アクセサリを探す人の『これ使える?』へ即答できる店になる
形の違う端末が出る日は、ケースや充電器が合うかを誰もが不安に思って検索する。答えが見つからない人は買わずに閉じる。合うかどうかが、その場で分かる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 問い合わせ対応の人件費と、サイズ違いによる返品の送料負担がいま出ている。セール期間は件数が跳ね上がる。
- 勝てる理由
- 自社製品の実寸、実機での検証記録、過去の返品理由は出品者本人しか持たない。他店は同じ答えを出せない。
- どう作るか
- 自社製品の仕様表と返品理由の履歴から、対応可否に答える質問応答を作る。新機種の寸法が公表された日に更新し、商品ページに置く。
- この案が強いのは
- 返品の理由を一件ずつ読んできた出品担当は、どこで『合わない』が起きるかを知っている。
折りたたみ端末の2年後の値打ちを、実物の傷みで返す側も受ける側も納得できる額にする
2年後に返す人は、折り目の傷みでいくら引かれるのか今は分からない。受け取る側も、見立てが査定者ごとにぶれている。その不安とばらつきが、同じ物差しで消える。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 買取・リース事業者はいま、残価を保守的に見積もって損失の備えを積み、査定員の人件費も払っている。見積もりの幅が縮めば、その分が粗利に戻る。
- 勝てる理由
- 返却端末の状態と実売価格の履歴を持つのは、実際に買い取ってきた事業者だけ。キャリアも決済会社も、返却後の転売実績は手元にない。
- 誰を、どう動かすか
- 過去の買取実績を状態別に整理し、傷み写真の等級分けをAIに試させて査定員との一致度を測る。その数字を決済会社の商品担当へ持ち込む。
- この案が強いのは
- 何千台もの返却端末を手に取り、傷みと実売額の関係を見てきた査定現場の経験が壁になる。
量販店店頭の『隠れ値引き・即日還元』まで網羅した、端末買い方のリアルタイム実質負担額比較
見送り:混雑・差別化あり/57.9点
公式とセールで最大11万円の差があり、分割や返却の条件で月額も変わる。比べにくさのせいで、損をしているかどうかを誰も確かめられずに買っている。それが一枚の表で見える。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 個人は購入前の比較に数時間を使っている。法人では購買担当の調査工数が同じ役目を負う。比較記事の広告収入も、ここから生まれる。
- 勝てる理由
- 真似されやすい。ただし返却免除の条件まで含めた毎日の価格履歴は、早く溜め始めた人しか持てなくなる。
- 何を、どう測るか
- Webの公開価格だけでなく、家電量販店やキャリア出張販売等の『現地限定の一括還元・条件付き値引き』情報を独自ネットワークやユーザー投稿から収集・検証し、ネット最安と店頭最安を返却条件込みの実質月額で一枚の表に統合して公開する。
- この案が強いのは
- Webスクレイピングでは絶対に取得できない、オフライン店頭の突発的な値引きスキームや還元条件の商習慣を熟知し、足元の現地情報を構造化できるコネクションと鑑定力がある。
端末を売る店が、2年後の返却日にもう一度客が戻ってくる店へ組み替わる
見送り:混雑・差別化あり/56.0点
売った瞬間に客との縁が切れる店では、返却や乗り換えの時に客が他へ流れる。2年後に会う理由ができれば、客は節目に相談できる店を持てる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- いまは端末1台の販売手数料と値引き原資で稼ぐ。返却・下取りの手数料や、買い替え客の獲得に使う広告費が置き換わる。
- 勝てる理由
- 客の名前と使い方を知る接客履歴は、ネット店にない。ただし返却条件はキャリアが握り、自店だけでは決められない。
- どの前提を疑うか
- 『売れば関係は終わる』という前提を疑う。2年前の購入客のうち何割が同じ店で買い替えたかを、台帳から数えるところから始める。
- この案が強いのは
- 常連の顔と買い替えの時期を覚えている店長の経験が、再来店の設計に効く。
業界の稼ぐ力を、為替のせいにせず同業みんなで同じ物差しで語れるようにする
GDP順位が落ちても、自分の業界が稼げていないのか、円安で縮んで見えるだけなのか、誰も言えない。語る言葉がないまま、不満だけが共有されている。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 業界団体の統計調査費や、コンサルへの業界ベンチマーク外注(1回数百万円)が出どころ。参加社が会費で分担する。
- 勝てる理由
- 競合同士が生データを出し合うには信頼が要る。最初に旗を振った会社が物差しの定義を握り、後発はそれに従う側になる。
- 誰に、どう呼びかけるか
- 同業3〜5社の経営者・経営企画に声をかけ、従業員一人あたり付加価値と為替影響分を同じ定義で出す一枚を、まず手計算で突き合わせる。
- この案が強いのは
- 同業の経営者と本音で話せる関係を持つ人の手にあるとき強い。
外国人客の目に自分の町の宿と食事がいくら安いか、世界の相場と並べて示す
外国人客には安い日本だが、どれほど安いのか地元は知らない。安売りに気づかないまま本来取れる価格を逃していた町が、値付けを見直せる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 観光協会・DMOの調査委託費や、宿のレベニュー管理コンサル費が出どころ。1室1泊千円の見直しでも積み上がる。
- 勝てる理由
- 地元の実売価格は、組合や協会に属する人でないと集まらない。外部のデータ会社は掲載価格しか見られない。
- 何を、どう測るか
- 地元の宿・飲食20店の実売価格と、ソウル・台北・バンコクなどの同等品を並べ、ドル換算の差を一枚にして協会の会合で公表する。
- この案が強いのは
- 地元事業者と顔が見える関係を持つ人の手にあるとき強い。
第1回「導入・問題意識」の記録を読む →セッション発言録 この話題は〈第1回・「導入・問題意識」の節〉につながります —「1990年代、Windows95とともにPCやインターネットが普及したとき、多くの人が『ExcelとWordを使えなきゃ』『ブラウザを使えなきゃ』と講座に通いました。でも30年を振り返って世界を変えたのは、Amazon、Google、Netflix、Uberを作った人たちで、講座の受講者ではなかった。これを日本から生み出せなかったのが、いまの状況を生んでいるんです。」
この話題で出たほかの案(4件)
現場がタダで引き受けてきた手間に値札がつき、価格交渉で言い返せるようになる
値段に入っていない対応を、現場は黙って吸収し続けている。その負担が数字で見えれば、頑張りが「当たり前」から「対価のある仕事」に変わる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 原価上昇を転嫁できず削られている営業利益が出どころ。数%の価格改定が通れば、年間で数百万円規模が戻る。
- 勝てる理由
- 無償対応の記録は、その取引先と日々やり取りする現場の担当しか持っていない。外部の業者は触れない。
- 誰を、どう動かすか
- 過去半年の見積・メール履歴から見積外の対応を拾い、次の見積に別立てで載せる雛形を作って、件数と工数の表と一緒に上長と営業へ持っていく。
- この案が強いのは
- 取引先ごとの「断れない事情」を肌で知る現場リーダーの手にあるとき強い。
為替で縮んで見える売上から、本当に伸びた分と目減りした分を切り分ける
円安の年は売上が縮み、円高の年は膨らむ。数量や単価が実際どうなのか分からないまま、好調・不調の議論が空回りする。切り分ければ、打つ手が変わる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 経営会議の資料づくりに使う経理・企画の月数十時間と、外部への決算分析の外注費が出どころ。
- 勝てる理由
- 自社の取引通貨・数量・単価の履歴は自社にしかない。外部のアナリストは公表値しか見られない。
- AIに何から聞くか
- 過去3年の月次売上を取引通貨・数量・単価に分けたCSVをAIに渡し、為替の効果を除く分解の仕方を対話で詰める。来週、一枚のグラフにする。
- この案が強いのは
- 自社の売上の癖(値引き慣行・契約通貨)を知る人の手にあるとき強い。
仕入れ値の上がり幅が品目ごとに言えて、値上げの理由を胸を張って説明できる
見送り:混雑・差別化あり/56.1点
値上げを頼む場面で「円安で上がった」としか言えず押し返される。品目ごとの根拠があれば、担当者の言葉に初めて数字の裏づけが付く。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 価格改定が通らず吸収している仕入れ増が出どころ。粗利1%の改善でも、取引規模によっては年数百万円になる。
- 勝てる理由
- 請求書と発注の細かい履歴を持ち、品目ごとの事情を知る購買・営業の担当にしか作れない。
- どう作るか
- 請求書の明細CSVと為替レートを表計算に入れ、品目別の円安影響額の式とグラフをAIに作ってもらい、一枚の説明資料に仕上げる。
- この案が強いのは
- どの品目が値上げを受け入れられやすいか肌で分かる購買・営業の経験が、そのまま効く。
国内の客だけを見てきた会社が、インドや英国の客にも普通に売れる会社になる
見送り:混雑・差別化あり/54.3点
人口が減る国内だけを市場と決めている会社は、成長する国の客に存在を知られていない。出会うはずだった買い手と、出会えるようになる。
この案をもう少し詳しく
- 事業として
- 海外展開の調査・翻訳・現地規制確認に払う外注費(数百万円)や、展示会の出展費が出どころ。
- 勝てる理由
- 真似されやすい。ただ、国内で長年の取引を通じて磨いた品質のノウハウは、追随する会社が時間をかけないと得られない。
- どの前提を疑うか
- 「国内顧客を深掘りする」前提を疑い、インド・英国に自社製品と近い需要があるか、AIと現地の規制・価格・競合を一週間で洗い出す。
- この案が強いのは
- 国内で「なぜ選ばれてきたか」を語れる営業・技術の経験を持つ人の手にあるとき強い。